海外留学で見たアメリカ医療
9月23日に行われる、九医技の同窓会の学術講演会にて、本校の3年生が「海外留学で見たアメリカ医療」という題材で、発表をします。
今回は九医技新聞第4号から、発表をする3年生の取材記事をご紹介します!
22日の学校分の記念講演会も、23日の講演会もまだまだ参加受付中です!参加希望の方は、ぜひお電話ください(^^)/
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今年の春休み、三年生の女子学生二名が自主的に米国のカリフォルニア州 ロサンゼルスに臨床検査専門&語学の研修に行ってきました。これは、ぜひ話が聞きたい!ということで、臨地実習開始直前の四月末に取材をしました。取材当日、二人は、終始笑顔で楽しそうに研修の話をしてくれました。
■「まず、最初に研修全体を通しての感想は?」
→「とにかく楽しかったですね。時間が過ぎるのが早くて、帰ってきたくなかったですから。臨床検査の部分でいうと、米国と日本の医療現場の特徴や違いを知り、勉強になりました。米国の検査自体は日本と同じでしたが、資格やその取り方が日本と違うんですよ。あと、向こうの人はフレンドリーでしたね(笑)。」
■「大分楽しんだみたいだね。資格については、具体的にどんなところが違ったの?」
→「資格には、テクニシャン(三年制大学を卒業した準学士)とテクノロジスト(四年制大学を卒業した学士)があります。アメリカは、職種が日本より細分化されているので、それぞれの技師の専門が決まっているんです。(※テクニシャンはいわゆる技術者で、担当する検査分野が決まっており、専門の検査以外はできません。テクノロジストは、日本でいう臨床検査技師であり、判定や検査の追加等、テクニシャンより幅広く臨床検査に携わることができます。)テクニシャンの資格をとるためには、米国の大学を卒業した後、専門コースを一年間履修しなければいけません。また、カリフォルニア州では、州での資格があるんです。(※米国では、臨床検査技師免許は十三州のみでしか試験が課せられず、他の州は非営利団体の認証試験に合格することで、臨床検査技師の承認を行っています。)
■「米国の病院はどんな感じでしたか?」
→「検査機器は日本とほとんど同じでしたね。日本製のものが多かったです。あと、性病判定の機器が多いように感じました。特に、印象に残っているのは、アロハシャツを着た医師が検査室にいたことですね。(笑)白衣を着ていないし、髭もサンタクロースみたい。文化の違いなんですかね。」(※研修では民間の病院・大学病院を見学します。今回見学したロサンゼルス小児科病院は米国の中でも最先端の設備を設けている病院です。)
■「臨床検査専門分野の研修で特に印象に残ったのは?」
→「無料の妊娠検査の移動車ですね。非営利団体が行っているもので、街の中でもデンジャーエリアに住む低所得の方々が検査を受けにきます。(写真の黒い車です。)移動車は教会の前に停まります。私達が見学した時は、五~六人くらいの若い女性が並んでいましたよ。
■「語学研修はどんなものだったの?」
↗「研修中は午前中は語学研修、午後は臨床検査専門研修という日程でした。語学研修は、シエラ・インターナショナル・カレッジという留学生が多く在籍する学校でありました。語学研修では、私達の他に韓国・中国・タイ・欧州・アルゼンチン等の国からも参加者がいました。授業は、ベーシッククラスとハイクラスに分かれていました。私達は、ベーシッククラスを受けました。授業が全て英語で進むから、わからない単語の説明も全部英語なんですよ。先生も英語、私達の質問も全部英語なんです。中々伝わらないこともありましたが、日が経つにつれ慣れていきました。」
■「日常会話では、わからない単語が出てきたりして困ったことはあった?辞書もなかなか引けないだろうし…。」
→「ありました(笑)。Aさんがお腹を壊したんですよ。心配した付き添いの人が医師を呼んでくれたんですけど、『ダイアリア』がどうとか話をするんです。『ダイアリア』が何なのか私達二人は全くわからなくて、とりあえず一日の行動と病状を必死で説明したんですね。そしたら、医師が『バスルームには行ったか?』と何回も聞くんです。お風呂に入っていないと伝えても何回も聞くんです。最終的には、Aさんは安静にして回復しました。後で調べてみると、『ダイアリア(diarrhea)=下痢』『bathroom=浴室・(主に米国で)トイレ』だったらしく、なるほどという感じでしたね。」「Nさん、学校の先生に私の欠席を伝える時も大変だったんだよね。」「大変でしたね(笑)。」
■「すぐに元気になってよかったね。食あたりだったのかな?」
→「食べ物が原因ではなく、環境が変わったからだと思います。ご飯はおいしかったですよ。けれど、全部において量は日本でいうLLサイズなんです!」「一食で一日に必要な摂取カロリーをとってしまうんじゃないかというくらい、多かったよね(笑)。」「うん(笑)。メニューではやっぱりお米がおいしかったですね。あと、語学学校では朝食のバイキングが無料だったので、よかったです。」
■「フリーの日は、ディズニーランドとか行ったの?」
→「行きましたよ!日本のものより規模が大きかったですね。他にはショッピングモール、ビバリーヒルズも(車で通るだけだったけれど)行きましたよ。ビバリーヒルズは豪邸が建ち並んで、いかにもお金持ちが住んでいそうな街でした。」「ロサンゼルスは、思っていたより都会じゃなかったよね。移動は全部車でした。ホテルの人もとてもいい人で、Aさんがお腹を壊した時は、わざわざ水を買いに連れて行ってくれました。
■「それでは、最後にこれから研修に行こうと考えている後輩にアドバイスをお願いします。」
→「(個人で参加した研修なので)お金はかかるけれど、その分色んなものを見ることが出来て面白いです。ぜひ、行ってみてください。」「色んな実習を経験した二年生の終わりに行くのがいいと思います。」
※研修についての詳細は、直接「M.I・海外留学」までお問い合わせください。(HPはhttp://www.mi55.net/)